山崎飛行士と詩作交流、覚さん「宇宙を作品に」
映画「千と千尋の神隠し」の主題歌などの作詞でも知られる詩人・覚(かく)和歌子さん(48)は、宇宙をテーマにした詩作を通じて、宇宙飛行士の山崎直子さん(39)と交流を続けている。
「帰ってきたら、彼女が感じた宇宙を詩にしてみたい」と、貴重な体験を聞ける日を心待ちにしている。
2人は共に千葉県の松戸市立第一中出身。覚さんが作詞した平原綾香さんの歌「星つむぎの歌」は2008年に宇宙に行った土井隆雄さんの目覚まし用の音楽として使われ、その曲を聞いた山崎さんが覚さんにメールを送ったことで交流を持った。
宇宙航空研究開発機構が手がけた連詩の企画に、山崎さんが第1詩、覚さんが第2詩を提供している。
<海に生まれ大地に育ってきたわたしたちの体には はるか百数十億年の 宇宙の歴史が刻まれている>(山崎さんの詩より)
<知りたいのははじまりの瞬間 その音その色匂(にお)いと手ざわり はじまりは いつもこころをひきつけてやまない>(覚さんの詩より)
昨年12月、ロシアの宇宙船「ソユーズ」に搭乗した宇宙飛行士の野口聡一さんは、詩を収めたディスクを国際宇宙ステーション(ISS)に持参している。この企画には、2人のほか、山崎さんが卒業した第一中と松戸市立相模台小の子供たちも参加している。
科学から宇宙を目指した山崎さんに対して、覚さんは、哲学から宇宙と向き合ってきたという。
覚さんには世界初の女性宇宙飛行士、テレシコワさんの目線から見た宇宙を表現した詩「ヤーチャイカ」がある。ロシア語で「私はカモメ」の意味で、1963年にテレシコワさんが宇宙空間で初めて発した言葉だ。覚さんは「宇宙と地上は日常のなかでつながっている。今、私たちがいるここ(地球)が宇宙」というメッセージを詩に込めた。
宇宙空間でロボットアームを操作し、物資を積んだコンテナをスペースシャトルから移す作業など、難しいミッションに挑む山崎さんを女性として尊敬するという覚さん。「宇宙から見た地球の記憶を自分の中に刻み、地上に戻ってきたとき、ここ(地球)も宇宙と思えるのか、生命に対する感覚、人生観がどう変わったのか、山崎さんに聞いてみたい」と話している。
◆覚和歌子=詩人、作詞家、音楽家、映画監督。日本レコード大賞金賞を受賞した映画「千と千尋の神隠し」の主題歌をはじめ、「SMAP」など多くの作詞を手掛け、物語詩の評価も高い。2008年には詩人谷川俊太郎さんと共同監督を務めた映画「ヤーチャイカ」を発表。5月には自身が歌うアルバム「カルミン」を発売する。
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